クリーニング店経営のヒント

経営・分析
売上目標を達成しやすくするための「プロセス管理」とは?

売上は金額だけでなく、プロセス管理を

クリーニング店の売上は、来店客数×客単価×来店頻度と分解することができます。
その昔、そろばんとノートで売上管理をしていた時代においては、1ヶ月が終わって締めてみたら売上が目標に達していた、未達だった、というゆっくりした管理(ふたを開けたら臭かった管理)をされていた店舗もあったでしょうが、今は時代が違います。
レジの機能を使えば、毎日どころか、毎時で売上を確認することも簡単にできるようになりました。クリーニング店の経営者は「今日は目標を達成できた。やれやれ」などと、毎晩一喜一憂されていることでしょう。

でも、安定した経営を行っていくためには、「今日の売上目標を達成できたから良かった」と単純に喜んでいてはいけないのです。確かに売上額が目標を上回ったということは喜ばしいのですが、その売上の「構成」をしっかりと見なければなりません。

仮にある日の売上目標が30万円だったとした場合は、その30万円を売上げるための「構成」をもしっかりと目標設定し、最終売上額だけでなく、そのすべての項目をクリアして初めて、「今日は目標を達成できた」と安堵していただきたいのです。 

<○月○日売上目標: 30万円>
・来店客数: ○人
・平均商品点数: ○点
・お客様単価: ○円

このように、売上額のほかに、最低限でも来店客数と平均商品点数とお客様単価の3つの指標は毎日追いかけるようにしてください。
少し難しい言葉になりますが、毎日の売上目標を「KGI=Key Goal Indicator=キー・ゴール・インジケーター」、上記3つなどのプロセス指標を「KPI=Key Performance Indicator=キー・パフォーマンス・インジケーター」と呼びます。経営を安定させるためには、KGIだけでなくKPIもしっかりと追いかけていくことが大切です。つまり、毎日のゴールである売上額だけでなく、そのプロセスの中で重要視しておきたいKPIもしっかりと追いかけましょう、ということです。

あるクリーニング店の経営者は、「今日は売上額のKGIは達成できたけど、KPIが未達成だからダメな日だ」と厳しく自店を評価します。
例えば今日は売上未達成になりそうだ、と落ち込みかけていた晩に、近隣飲食店のオーナーが、ホールメンバーのユニフォームと調理場メンバーのコック服を全部持ち込んでくれたから10万円の売上が立ち、KGIであるその日の売上目標を達成できたとしましょう。売上目標を達成できたので良さそうに聞こえるかもしれませんが、「KPIの来店客数が目標に達していないためにダメだ」と言うのです。 

この経営者は続けてこのように言います。
「偶然の大口客がいらして売上が立ち、目標を達成できても、そのことを決して喜んではいけないのです。
むしろ、その日の目標客数を達成できなかったのは、どのような要因があるだろうか、などをしっかりと分析し、対策することが必要です」

常にこのような視点を持ってプロセス指標を追いかけ続けることにより
・「この2ヵ月間、毎週水曜日の客数が極端に少なくなり、全体的に客数が○%も減っているな」
・「RFM分析をしてみたら、常連だったお客様の来店頻度も明らかに落ちているな」
という現状に気が付き、調査をすることで
・「近隣競合店Aが、毎週水曜日はワイシャツ150円セールをやっている」
・「近隣競合店Bは、毎月5のつく日に持ち込み商品点数に応じた割引セールをやっている」
・「駅の北口にできた競合の新店が今月いっぱいオープンキャンペーンで半額セールをやっている」
などの情報を突き止め、対策を打つことができるのです。

レジが勝手に集計してくれる「来店客数」や「商品点数」を単なる数字として眺めるのではなく、売上を構成するプロセスだと捉え、常にウォッチしておくことで、自店の課題が発見しやすくなるのですね。

もちろん、毎日だけでなく、毎週・毎月ごとのプロセス指標を分析することも必要です。
・昨年までは売上額に占めるスーツ上下の比率が○%あり、同様の目標設定をしていたのに、今年は○%もダウンしているな
・今月はコートのデラックス仕上げ付帯率が○%しかなくなっているぞ
などのように、全売上高に占める商品ごとの売上高構成比率や、オプションの付帯率も確認するのです。 

例えば、スーツ上下の構成比率が落ちてきている場合は、調査を行うことで
「最近急速に台頭してきているネットクリーニング店の多くが目玉としてスーツ上下の値段を低く設定しているがために お客様がそちらに流れてしまっているのだろう」
「このままだと、スーツだけでなく全てのクリーニングをネットに持って行かれてしまう危険性がある」という仮説が生まれます。
また、デラックス仕上げの付帯率が落ちてきている件については、
「メンバーの指導とロープレを任せていたベテランのAさんが先月辞めた結果、お客様にデラックスのお勧めが徹底されていない」という事実が判明したりします。

ちなみにそれぞれの解決策としては
「スーツ上下の他に5点以上お持込のお客様は、上下で○円」
「ロープレの再開と、デラックス仕上げお試し券を付けたDMを全顧客に送付」
などの施策を展開することが考えられますね。

いかがでしょうか?
クリーニング店の経営においては、結果としての売上額(KGI)だけを追いかけるのではなく、そのプロセス(KPI)もしっかりと目標設定し、追いかけることで、自店の課題が明確となり、対策を打てるようになります。

毎月の目標を達成し続け、経営を安定させるためにも「ふたを開けたら臭かった管理」を卒業して、しっかりとプロセス管理ができるようにしていきましょう。

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