クリーニング店経営のヒント

経営・分析
クリーニング店経営者は損害賠償基準を明示すべき

モンスターカスタマーには毅然とした態度で対応する

クリーニング業界はクレーム産業と言われていますね。ボタンが取れた、穴が開いた、汚れが落ちていない、シワが残っている・・・お客様から出てくるクレームに、日々頭を悩ませているスタッフが多いのではないかと思います。「一般のお客様」からのご要望やクレームには真摯に対応すべきですが、中にはモンスターカスタマーと言われるような、お客様もいて、「半年以上も前に引き取った洋服にシミがついていた」「おかしなシワがついている」「穴が開いていた」など、今頃そんなことを言われてもどうしようもありません、というような内容のクレームだったり挙句の果てに、「このジャケットは〇万円もしたブランド品だ。全額弁償しろ」などと店内で大きな声を出され、スタッフが怖がってしまうということも・・・。

そんなモンスターカスタマーには、毅然とした態度で対応することが必要です。まずは、店内の目立つところに「当店の賠償基準」を貼り出すか、すぐにご覧いただけるように準備をしておきましょう。

16年ぶりにクリーニング事項賠償基準が改訂

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会の諮問機関であるクリーニング賠償問題協議会は「クリーニング事故賠償基準」の改訂を16年ぶりに行い、平成27年度改訂版を発行しました。10月1日から施行されているこの賠償基準は、この16年間の環境変化に対応する形で改訂がなされ、より分かりやすく、現場に即したものになっていると言われています。特に第4条(賠償額の算定に関する基本方式)においては、

賠償額=物品の再取得価格×物品の購入時からの経過月数に対応して別表に定める補償割合

によって賠償額を算定することが明記されており、別表1に定められた商品別平均使用年数表ならびに別表2に定められた物品購入時からの経過月数に対応する補償割合と照らし合わせることにより、「どの商品はどれくらいの補償をすることが妥当か」について、ガイドラインとして使うことが可能となっています。

モンスターカスタマーが出現した際には、この別表を店内に掲示しておくか、すぐに見せられる状態にしておくことで、「無茶な要求をさせない」「無理にゴネても、業界で基準が定まっているので通らないだろうと思わせる」ことができるようになるのではないでしょうか?

冒頭の「半年以上に引き取った洋服に・・・」ということも、第7条(基準賠償額支払義務の解除)2項にある、『利用者が洗たく物を受け取った後6ヶ月を経過したときは、クリーニング業者は本基準による賠償額の支払いを免れる。』という内容を明示することで、「通らない要求かもしれない」と相手が引き下がるかもしれません。

もちろん、賠償基準はクリーニング店がモンスターカスタマーから逃れるために作られたものではなく、もしこちらの責任によりお客様の大切な商品を傷つけたりしてしまった際に、適切に賠償をすることを目的としたものです。「何が何でも当店では賠償をしない、極力補償額を少なくする」ために悪用することの無いようにご留意ください。

指示タックは勝手に取り付けない

もっと言えば、クリーニング店側が洗たく物の受け渡しをする際に少し気を付けることで、このようなトラブルが発生することを防げるようになります。特に「破・縮・硬化・黄変・・・ お客様営業所 了解済み」のような指示タックの取り扱いには気を付けてください。洗たく物をお預かりする際に、しっかりと商品を確認し、お客様の目の前でタックを取り付ける際には問題がありませんが、確認をせずにお預かりして、お返しした洗たく物に何の注釈もなく「了解済みタック」をつけてしまうと、後々トラブルに発展することが危惧されます。

洗たく物をお預かりする際にはしっかりとチェックをする。もしお返しする際にタックをつけざるを得なかった場合には、後付けでご了承いただくことをお詫びしながら、しっかりとご説明する。もちろん高価な商品については、問題が発覚した時点でしっかりとお客様にご連絡を取り、了承をいただいてから作業に入る、などの基本ルールを徹底することが、トラブルを発生させない一番のポイントとなります。

問題を必要以上に大きくしないためにも、またモンスターカスタマーの圧力に負けないためにも、毎日店舗では1分ロープレを繰り返し、スタッフの対応力をアップするようにしてください。

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