ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第5回サロンの適正なコストバランスを考えよう

サロン経営は、多額の初期投資が必要なため、借入金が多くなりがちです。利益が出ていても、資金的には厳しい経営を迫られます。また、ライバル店がすぐに出現するというのもサロンにとっては重大な問題で、サロンの利益に直接影響を及ぼします。このようなさまざまなリスクに対応するにあたって「感覚」に頼った経営をしていては、安定した成長は望めません。

では、「感覚」の反対は何でしょうか。それは「計数」です。安定的なサロン経営をしていくためには「計数管理」は必要条件となります。「計数」とは、予測や実際の数字です。つまり、「計数管理」とは数字をしっかり把握し、分析して、コントロールすることです。オーナーの皆様には、自分のサロンの数字が去年と比べてどうなのか?前月とはどうなのか?他のサロンと比べてどうなのか?等を確認しながら経営の判断をしていだだきたいと思います。

サロン経営のコストバランス

サロンにおいて一番「感覚」になりやすいのはコストです。売上は、毎日・毎月計数を把握していても、コスト(支出)の把握ができていないサロンが多いようです。コスト管理のコツは、バランスです。全てのコストを削ることに意味はありません。一つ一つのコストの意味合いを考え、資金を投下するコストを特定させていくことです。

自分のサロンには、どのようなお客様にどのように来店していただきたいのか、スタッフはどうあるべきなのかなどを考え、どこのコストを増やし、どこのコストを減らすのかと、バランスを図りながら経営していくことが必要です。

サロン経営での各コストについて

1.材料費(売上原価)≪適正比率=対売上比率10%≫

材料費は売上に対して直接かかる費用であり、サロンのコンセプトと直結した特徴が表れます。高単価路線のサロンでは高級材料を仕入れ、店販品の売上も多くなり13%~15%位になってきます。

逆に低単価路線のサロンは当然コストパフォーマンスのよい材料を仕入れ、店販品の売上も少ない場合が多いので7%位になってきます。
10%より高いか低いかということではなく、①自分のサロンの特徴が反映しているか、②比率が大きく変動していないかということに着目して欲しいと思います。そうすることで、①コンセプトに合わせた仕入ができているか、②発注の無駄や在庫が増えていないかを確認できます。

チェックポイント

・過去6カ月の仕入高の推移をチェックしよう
・前年の決算の原価率(対売上比率)と今年の累計の原価率をチェックしよう

①今年の原価率が低い⇒仕入値が下がったor店販売上高が減ったor在庫が少なくなった
②今年の原価率が高い⇒仕入値が上がったor店販売上高が増えたor在庫が増えた
③どの原因もあてはまらなかったら注意。カラー剤の作りすぎ、商品の盗難等何か悪い原因があるかもしれません。

2.人件費(社会保険料含む)≪適正比率=対売上比率50%≫

サロンにとって一番大きいコストが人件費です。役員報酬や個人事業主の生活費も含まれます。対売上比率50%の内訳は、従業員給料・役員報酬等(43.5%)+社会保険料等(6.5%給料の約15%相当)となります。

美容業では、対売上6.5%というコスト増になかなか対応できず、社会保険に加入していないサロンも多くあります。しかし、これからは、社会保険強制加入や最低賃金の上昇、スタッフの採用や雇用維持のことを考えて、人件費コントロールは避けて通れない課題です。

チェックポイント

・売上増加により比率を下げることを第一に考えましょう

⇒生産性{売上(客数×単価)/スタッフ数(スタイリスト+アシスタント)}の向上

・人件費のコストカットは最後の手段です

3.家賃≪適正比率=対売上比率10%≫

私たちのデータでは、商業地11%、住宅街10%、デパートなどのインショップが16%になっています。家賃はコントロールするというより、その空間を有効に使えているかという意味で数値を見ます。

例えば月額30万円の家賃であれば、30万円÷10%=300万円が店舗の目標売上になります。それを営業日数で割れば1日の目標売上も決まります。家賃という変わらない数値だからこそ、それを利用して利益の出る目標売上を設定しましょう。

チェックポイント

・家賃の10倍を目標売上の参考にしましょう

⇒目標売上をスタイリスト数で割ればスタイリスト一人あたり必要売上がわかります。

4.水道光熱費≪対売上比率3%≫

サロンにおいて電気代や水道代は必要な経費です。対売上比率はどのサロンでも3%前後になっています。この比率は数字自体が小さいので見過ごされていますが、チェックするのは前年同月との比較です。電気代は季節によって変動しますし、水道代は2ヶ月に1回の支払が多いので同じ月で比べるのが効果的です。小さい金額ですが、サロンの雰囲気やスタッフの状況があらわれている場合もあります。

チェックポイント

・前年同月との金額の差額をチェックしましょう

・基本料金の変化以外の差については原因を追究しましょう

5.広告宣伝費≪対売上比率5%≫

昨今、ネットによる集客が主流となり非常に増加してきているコストが広告宣伝費です。新規顧客を集客するために仕方のないコストかもしれませんが、せっかく集客をしてもリピート率が少なくザル状態であれば、集客に対する高いコストをずっと払い続けなくてはなりません。まずは、お客様がこのサロンに又来たいと思うような仕組みを作ることから始めたほうが良いと思います。少子高齢化の波は、新規顧客の獲得に影響を及ぼしています。広告宣伝費が、売上の10%を超えるサロンも少なくありません。しかし、これを続けていくとサロンは疲弊していきます。
サロンを支えてくれているのは、お店のファン客(固定客)です。固定客数を増やしていくことに、資金を投下していくことが必要です。

チェックポイント

・広告により何人の固定客が増えたか、数値を追っていきましょう

サロンの計数管理は 税理士法人西川会計 へご相談下さい。

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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