ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第8回個人事業主と法人どっちがお得?

個人事業主と法人ではどっちが得かは一概には言えません。

税金面だけでみると、個人事業主よりも法人にしたほうが得することもあります。 しかし法人にしますと社会保険加入が必要となりますので、従業員を雇用し、社会保険に加入しますと金銭の負担が多くなります。

それでは、シミュレーションを参考に法人のいろいろなメリット・デメリットについてお話します。

Ⅰ.シミュレーション

現在のサロン情報
東京都内サロン1店舗
経営者年齢35歳
個人事業年間所得6,000,000円
扶養家族なし
旧生命保険料(一般)年額120,000円
国民年金195,120円(月額16,260円)
国民健康保険511,934円

個人事業 法人
青色申告特別控除前所得金額 6,000,000 給与所得 6,000,000
青色申告特別控除 650,000 給与所得控除 1,740,000
所得金額 5,350,000 所得金額 4,260,000
社会保険料控除 707,054 社会保険料控除 845,640
生命保険料控除 50,000 生命保険料控除 50,000
基礎控除 380,000 基礎控除 380,000
控除合計 1,137,054 控除合計 1,275,640
課税所得金額 4,212,946 課税所得金額 2,984,360
所得税 423,600 所得税 200,900
住民税 430,100 住民税 307,300
個人事業税 155,000 法人都民税 70,000
税金合計 1,008,700 税金合計 578,200
国民健康保険 511,934 社会保険 298,800
国民年金 195,120 厚生年金 534,840
   社会保険会社負担分 833,640
社会保険合計 707,054 社会保険合計 1,667,280
税金・社保合計 1,715,754 税金・社保合計 2,245,480

注:法人の所得がゼロに場合を想定したシミュレーションです。法人で所得が出ますと所得金額に対して21.421%(所得金額400万円以下)の税金がかかります。

Ⅱ.法人にすることのメリット

1.

節税効果
法人にして給与所得になった場合節税効果があります。上記表を参照していただくと同じ所得600万円であっても税金が総額で430,500円安くなります。

2.

生命保険料
個人でどんなに生命保険料を支払っても、最高で12万円の所得控除しかありませんが、法人で契約し受取人も法人にした場合は、保険料の全部又は一部が経費になります。
もし、経営者が死亡した場合には、会社が保険金を受け取り死亡退職金として、遺族に支払うことが出来ます。又解約返戻金を役員退職金として受け取る方法もあります。

※いずれも勤務年数、功績等により支給の制限があります。
3.

社会保険に加入できる

1)

社会保険
社会保険に加入するメリットとして主なものでは傷病手当金の支給、出産手当金の支給があります。
傷病手当金は、会社を4日以上連続で休むような病気になってしまった場合に、1日当たり標準報酬日額(1ヶ月当たりの賃金を社会保険の月額に当てはめて30で割って1日当たりの金額に直したもの)の3分の2の額が支給されます。 

出産手当金は産前産後休業中に1日当たり標準報酬日額の3分の2の額が支給されます。
2)

厚生年金
厚生年金に加入する最大メリットは、将来もらえる年金の額が多くなることです。
また万一事故などで障害を負ってしまったりした場合でも、生涯にわたり障害厚生年金を受給することが出来ます。また死亡してしまった場合遺族に対して遺族厚生年金が支給されます。もし仮に国民年金しか加入していない場合は、障害基礎年金又は、遺族基礎年金と極めて少ない給付しか受けることが出来ません。

3)

求人がしやすくなる
美容学校に求人を出す場合も、社会保険完備の方が先生も勧めやすくなります。
なぜなら現代の美容師希望者のほとんどが昔とは違いサラリーマンの子供たちになっていますので、社会保険の加入をしていない会社に就職することを望んでいないからです。

Ⅲ.法人にすることのデメリット

1.

社会保険料の負担

社会保険・厚生年金の加入が義務付けられるため、国民健康保険・国民年金より負担が大きくなります。さらに従業員と会社で保険料を折半するので会社負担分はスタッフが多ければその分負担が大きくなります。
2.

事務費の負担

社会保険の手続き役員変更登記、法人の税務申告等、会社になると自分ではできない手続きが増えその分事務費負担が増えます。
3.

会社設立時、会社を辞めるときの負担
会社設立の登記をするためには、司法書士に登記を依頼しなくてはなりません。
そのための費用が約32万円(登記印紙代を含む)かかります。

さらに、会社を辞めるときは会社の解散登記をして、清算結了登記が必要となりますので、その時も費用が発生します。
4.

赤字でも支払わなくていけない税金
東京の場合
1店舗もしくは同じ区に全て店舗があり、スタッフ数50名以下、資本金1千万円以下の場合
法人都民税均等割70,000円

※他の都道府県、市区町村に店舗ある、スタッフ人数が50名超、資本金が1千万超の場合は均等割りが多くなります。

Ⅳ.まとめ

法人にすると社会保険に加入しなくてはならないので、税金の節税以上に金銭面での負担は大きくなりますが、社会保険に加入することで福利厚生面が充実したサロンに見られることによるメリットも大きいです。 損得の話ではなく、法人にするかどうかは将来のサロン設計に必要かどうかで判断しは方が良いと思います。

サロンの計数管理は 税理士法人西川会計 へご相談下さい。

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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