ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第9回生命保険(法人)と小規模企業共済(個人)~老後資金準備~

Ⅰ.有意義なセカンドライフをおくるためにはいくらお金が必要か

1.

セカンドライフ(老後)の時間はどれくらいあるの?
65歳で経営から退くと、1日24時間あるうち、睡眠時間などの時間を差し引いた残り16時間程度が自由な時間です。セカンドライフは365日毎日が日曜日、自由な時間を持つことができるので、80歳まで15年間では8万7,600時間となります。

16時間×365日×15年間=87,600時間

これは、20歳から60歳までの40年間、週42時間働くのとほぼ同じ時間です。

42時間×52週×40年=87,360時間

セカンドライフの自由な時間は、誰にでも平等に与えられる時間です。

2.

セカンドライフの月々の生活費は最低限どれくらいかかるの?
ご夫婦2人でセカンドライフを送る上で、最低限必要と考えられる日常生活費の平均は220,000円となっています。(生命保険文化センター「生活保障に関する調査」平成28年度調べ)
例えば65歳で引退し、80歳までの15年間で見積もっても約4,000万円の生活費がかかるのです。私たちはこの生活費を国民年金や厚生年金、そして自助努力で埋めなければなりません。
*国民年金受給額は40年間支払って、年額780,100円です。(平成28年4月からの年金額 満額)

では、貯蓄をする方法として生命保険を利用するメリットと銀行の預金とを比較しながら考えて行きましょう。

Ⅱ.生命保険での資金準備

銀行でお金を貯めると「会社の資産」となります。借入を起こす時や取引先に対しての信用という意味でも、資産があるということは大切です。そのためにも資産を増やすということは重要ですが、残念ながら「節税効果」はありません。

仮に債務が2,000万円、銀行預金が1,000万円だった場合、経営者が死亡してしまうと資金がショートしてしまいます。
生命保険の活用方法として、支払う保険料の半分が損金(経費)となる長期平準定期保険という商品があります。節税とは「法に触れない範囲で税負担を軽くすること」で、かつ資産を残すことです。
税金の負担を減らすために不要な物を買ったり、無理に交際費として使ったりしてしまっては「節税効果があった」とは言えません。
必要な設備投資をしたり、現金を残したりといった会社の資産が増やすことで初めて「節税効果があった」と言えるのではないでしょうか。
「貯蓄性ある生命保険を活用する」ことは、税金の負担を軽くし、現金を将来へ残すことができるのでセカンドライフ資金の準備としてもよく活用されています。
また、金融機関からの借入金がある場合、生命保険の受取り保険金額を借入金残高に合わせ借入金の返済する目的として加入することで、万一社長の死亡というリスクを回避できます。社長の死亡リスクに備えながら、将来への貯蓄ができるというのは「生命保険」だけなのです。

Ⅲ.小規模企業共済での資金準備

小規模企業共済とは、国が全額出資している独立行政法人が運営する共済制度で、分かりやすく言うと「経営者の退職金制度」です。
サロン経営者の場合、次のような方が対象となります。
・常時使用する従業員数が5人以下の「法人役員」または「個人事業主と共同経営者2名」
このように限られた経営者にしか加入資格がないのですが、税法上のメリットがあります。
この制度に加入する目的は2つ。「節税」と「セカンドライフ資金作り」です。(図1)
先ほどの法人加入の生命保険とは違い、こちらは、個人契約です。従って掛金の振替も個人の口座からとなります。
共済制度の最大のメリットは、掛金の全額が課税対象所得から控除できるということです。
確定申告で「経費でおとせるものはないか」などとレシートや領収証をかき集めた経験はありませんか?
そのようなことがある個人事業主の方は、まずこの共済制度をフル活用してみてはいかがでしょうか。

(図1)
掛金の全額所得控除による節税額

課税される
所得金額
加入前の税額 掛金月額ごとの加入後の節税額
所得税 住民税 掛金月額
1万円
掛金月額
3万円
掛金月額
5万円
掛金月額
7万円
200万円 104,600円 205,000円 20,700円 56,900円 93,200円 129,400円
400万円 380,300円 405,000円 36,500円 109,500円 182,500円 241,300円
600万円 788,700円 605,000円 36,500円 109,500円 182,500円 255,600円
800万円 1,229,200円 805,000円 40,100円 120,500円 200,900円 281,200円
1,000万円 1,801,000円 1,005,000円 52,400円 157,300円 262,200円 367,000円

[注意事項1]
「課税される所得金額」とは、その年分の総所得金額から、基礎控除、扶養控除、社会保険料控除などを控除した後の額で、課税の対象となる額をいいます(なお、所得税、住民税の課税される所得金額は計算上同一としております。)。
[注意事項2]
税額は、平成28年4月1日現在の税率に基づき、所得税は復興特別所得税を含めて計算しています。住民税均等割については、5,000円としています。

Ⅳ.目標を決めて「将来の積立」をスタート

老後のことは「漠然」としていて、多くの方が「そのうち・・・」と後回しにしがちですが、後回しにすればするほど老後準備を積立てられる期間が短くなっていきます。
老後準備は、1歳でも若いうちからコツコツと積立てることをおすすめします。
生命保険を活用する場合、1歳でも若いうちに加入した方が解約した時に戻る返戻金の率がいいです。小規模企業共済も損をしないための積立月数のしばりがあります。
解約手当金は、掛金納付月数に応じて、掛金合計額の80%~120%相当額がお受け取りいただけます。掛金納付月数が、240ヶ月(20年)未満の場合は、掛金合計額を下回ります。

老後の最低限の生活費として220,000円(月)が必要となります。ゆとりある生活では月額36万円が必要になります。公的年金の受給権者平均年金月額は、国民年金が、54,414円、厚生年金が144,886円(平成26年厚生労働省年金局・厚生年金保険・国民年金保険概況より)となっております。公的年金だけでは、私達の老後は最低限の生活も難しい のです。働けるうちに、働けない老後の生活費・趣味・お付き合いなどの資金積立てをスタートし、「8万7,600時間のセカンドライフ」を充実した時間にして頂ければ幸いです。

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税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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