ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第10回年末調整とその留意点

「年末調整」は給与支払いを受ける人一人一人について、毎月(日)の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続きで、給与の源泉徴収の総決算ともいうべきものです。
大部分の給与所得者は、この「年末調整」によってその年の所得税及び復興特別所得税の納税が完了し、改めて確定申告の手続きをとる必要がないこととなるわけですから、この意味からも非常に大切な手続といえましょう。

Ⅰ.扶養控除等の種類

1.

控除対象配偶者→所得控除額380,000円

(1)
控除対象配偶者(合計所得金額が38万円以下の生計を一にする配偶者)
※給与収入金額が103万円以下であれば、合計所得金額が38万円以下になります
(2)
老人控除対象配偶者(年齢70歳以上の控除対象配偶者)→所得控除額480,000円
2.

扶養親族(合計所得金額が38万円以下の生計を一にする親族)→所得控除額380,000円
※親族とは6親等内の血族と3親等内の姻族

(1)
控除対象扶養親族(扶養親族のうち、年齢16歳以上の人)
①特定扶養親族(控除対象扶養親族のうち、年齢19歳以上23歳未満の人)→所得控除額630,000円
②老人扶養親族(控除対象扶養親族のうち、年齢70歳以上の人)→所得控除額480,000円
イ.同居老親等(老人扶養親族のうち、常況で同居をしている直系尊属)→所得控除額580,000円
3.

障害者(特別障害者)
本人やその控除対象配偶者、扶養親族で障害者(特別障害者)に該当する人

(1)
一般障害者→所得控除額270,000円
(2)
特別障害者→所得控除額400,000円
※詳しく国税庁HPを参照
①同居特別障害者→所得控除額750,000円
控除対象配偶者又は扶養親族のうち特別障害者に該当する人で、本人、配偶者又は本人と生計を一にするその他親族のいずれかと常況で同居している人
4.

寡婦(本人が次の(1)、(2)のいずれかに該当する人)

(1)
寡婦→所得控除額270,000円
①次のいずれかに該当する人で、扶養親族又は生計を一にする子のある人
イ.夫と死別した後、婚姻していない人
ロ.夫と離婚した後、婚姻していない人
ハ.夫と生死の明らかでない人
②上記①に掲げる人のほか、次のいずれかに該当する人で、合計所得金額が500万円以下の人
イ.夫と死別した後、婚姻していない人
ロ.夫の生死の明らかでない人
※給与所得だけの場合は、本年中の給与の収入金額が6,888,889円以下であれば、合計所得金額が500万円以下となります。
(2)
特別の寡婦→所得控除額350,000円
寡婦のうち、扶養親族である子を有し、かつ、合計所得金額が500万円以下の人)
5.

寡夫→所得控除額270,000円
本人が、次の1)、2)又は3)のいずれに該当する人で、生計を一にする子がありかつ合計所得金額が500万円以下の人

6.

勤労学生→所得控除額270,000円
本人が、次の(1)、(2)及び(3)いずれにも該当する人

(1)
次に掲げる学校等の児童、生徒、学生又は訓練生であること。
①学校教育法に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校
②国、地方公共団体、学校法人、準学校法人、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人労働者健康安全機構、日本赤十字社、商工会議所、健康保険組合、健康保険組合連合会、国民健康保険団体連合会、国家公務員共済組合連合会、 社会福祉法人、宗教法人、一般社団法人、一般財団法人、医療事業を行う農業協同組合連合会、医療法人、文部科学大臣が定める基準を満たす専修学校又各種学校(以下「専修学校」といいます。)を設置する者の設置した専修学校等で、職業に必要な技術の教授をするなど一定の要件に該当する課程を履修させるもの
③認定職業訓練を行う職業訓練法人で、一定の要件に該当する課程を履修させるもの
(2)
合計所得金額が65万円以下であること
(3)
合計所得金額のうち給与所得等以外の所得金額が10万円以下であること
※「給与所得等」とは、自分の勤労に基づいて得た事業所得、給与所得、退職所得又雑所得
(4)
注意事項
(1)②又は③の生徒又は訓練生である人が勤労学生控除を受けるためには、扶養控除等(異動)申告書に一定の証明書を添付する必要があります。
7.

国外居住親族
非居住者である親族をいいます。
注:「非居住者」とは、居住者以外の個人をいいます。また、「居住者」とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。

(1)
注意事項
国外居住親族に係る扶養控除、配偶者控除又は障害者控除の適用を受けるためには、扶養控除等(異動)申告書に、次の証明書を添付又は提示する必要があります。
①親族関係書類
②送金関係書類
控除の種類 控除額
(1)基礎控除 380,000円
(2)配偶者控除 一般の控除対象配偶者 380,000円
老人控除対象配偶者年齢70歳以上の人 480,000円
(3)扶養控除
年齢16歳以上
一般の控除対象扶養親族 380,000円
特定扶養親族 630,000円
老人扶養親族
年齢70歳以上の人
同居老親等以外の者 480,000円
同居老親等 580,000円
(4)障害者控除 一般の障害者 270,000円
特別の障害者 400,000円
同居特別障害者 750,000円
(5)寡婦控除 一般の寡婦 270,000円
特別の寡婦 350,000円
(6)寡夫控 270,000円
(7)勤労学生控除 270,000円

Ⅱ.保険料控除の種類

1.

生命保険料控除(生命保険料控除証明書の提出又は提示が必要です。)

(1)
旧生命保険料
①一般生命保険料→最高控除額50,000円
②個人年金保険料→最高控除額50,000円
(2)
新生命保険料
①一般生命保険料→最高控除額40,000円
②個人年金保険料→最高控除額40,000円
※新生命保険料は平成24年1月1日以後に契約したもので控除できる金額が違います。
(3)
介護医療保険料→最高控除額40,000円
※平成24年1月1日以後に契約した保険の保険料
2.

地震保険料控除(損害保険料控除証明書の提出又は提示が必要です。)

(1)
地震保険料→最高控除額50,000円
地震保険料は、本人又は本人と生計を一にする親族が所有している家屋・家財のうち一定のものに掛ける地震保険の保険料
(2)
旧長期損害保険料→最高控除額15,000円
平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等に係る保険料
注:上記(1)+(2)合計額の最高控除額は50,000円となります。
3.

小規模企業共済等掛金控除(本人が直接支払った場合は証明書が必要です。)
小規模企業共済等掛金とは、次に掲げるものをいいます。

(1)
独立行政法人中小企業基盤整備機構と契約した共済契約(旧第2種共済契約を除きます。)に基づいて支払った掛金
(2)
確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金又は個人型年金加入者掛金
(3)
地方公共団体が条例に規定により実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度で一定の要件を備えているものに基づいて支払った掛金
4.

社会保険料控除直接自分で掛け金を支払っているもの

(1)
国民健康保険
(2)
国民年金(厚生労働省が発行した保険慮等の証明書や領収書が必要です。)
(3)
国民年金基金(国民年金基金が発行した保険慮等の証明書や領収書が必要です。)

Ⅲ.年末調整の超過額(還付)・不足額(徴収)の精算

1.

年末調整の超過額・不足額が出た場合は、スタッフにその金額を還付(又は徴収)します。

2.

年末調整の超過額・不足額を源泉徴取をした所得税及び復興特別所得税から控除(追加)し税務署に納期限までに納付します。

Ⅳ.源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の納期限

給与や報酬などについて源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の納期限は下記のとおります。

納期の特例の承認を受けていない場合
給料や報酬などを支払った月の翌月10日
納期の特例の承認を受けている場合(給与などの特定の所得に限ります。)
1月から6月までの分・・・7月10日
7月から12月までの分・・・翌年の1月20日
※納期の特例の承認を受けられる事業者
給与の支給人員が常時10人未満である源泉徴収義務者で、納期の特例制度の適用を受けようとする事業者

Ⅴ.今年度の年末調整における留意事項

1.
通勤手当の非課税限度額
平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当の非課税限度額が10万円から15万円に引き上げられました。
2.
マイナンバーの管理
(1)
マイナンバーの回収
扶養控除等(異動)申告書に提出者本人、控除対象配偶者、扶養親族等のマイナンバーを記載します。
但し、すでにマイナンバーその他事項を記載した帳簿を備えているときは、記載を要しない。
(2)
マイナンバーの本人確認をする書類
①マイナンバーカード(番号確認と身元確認)
②通知カード(番号確認)+運転免許証、健康保険の被保険者証など(身元確認)
(3)
マイナンバーの管理
①取得・利用・提供の制限
マイナンバー(個人番号)は、社会保障や税に関する手続など法令に定められた事務を処理する必要がある場合以外は、取得・利用・提供をすることはできません。
②保管・廃棄
マイナンバー(個人番号)は、社会保障や税に関する手続など法令に定められた事務を処理する必要がある場合に限り、保管することができます。また、社会保障や税に関する手続に必要がなくなった場合で、所管法令において定められている保存期間を経過した場合は、マイナンバー(個人番号)をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければなりません。
注:扶養控除等(異動)申告書については、提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保存する必要がありますので、その間はマイナンバー(個人番号)を保管することができますが、当該期間経過後は、できるだけ速やかにマイナンバー(個人番号)を廃棄又は削除する必要があります。
③安全管理措置の実施
マイナンバー(個人番号)を取り扱う源泉徴収義務者は、マイナンバー(個人番号)及び特定個人情報(マイナンバー(個人番号)をその内容に含む個人情報をいいます。)の漏えい、滅失又は毀損の防止その他適切な管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講ずる必要があります。
◎詳しくは内閣官房「社会保障・税番号制度」ホームページ又は国税庁ホームページを参照してください。

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税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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