ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第11回確定申告での注意点(棚卸資産)

個人事業者の所得税確定申告をするために12月31日現在の在庫を棚卸しなくてはなりません。
また、お店の経営状態を把握するためには毎月棚卸をすることをお勧めします。

Ⅰ.棚卸資産とは

12月31日現在の美容材料、店販商品、貯蔵品の在庫をいいます

具体的に、どんなものを棚卸するか?
◆材料(業務品)・商品(店販用)・貯蔵品(※)について棚卸を行います。

品目 具体的な商品の種類(例)
材料 業務で使うシャンプー 業務で使うトリートメント 業務で使うカラー剤 業務で使うパーマ液
商品 店販用シャンプー 店販用トリートメント 店販用スタイリング剤
貯蔵品 包装紙などの包装材料 荷造発送用の材料 広告宣伝用の印刷物 見本品
※貯蔵品:
税法上は「毎期おおよそ一定の数量を、継続的に購入し消費する事務用消耗品、作業用消耗品など」については、「貯蔵品として資産計上する必要はない」とされています。
また少額のものは、あえて貯蔵品に振り替える必要はありません

Ⅱ.棚卸資産の算出方法

1.

数量

業務用の「材料」別、店販用の「商品」別に数えます。
多店舗展開しているサロンは、店舗ごとに数えます。
業務用の在庫は、「0.5単位の四捨六入」で数えてもよいでしょう。
例 1,000ml容器の業務用シャンプー

①在庫5本のうち1本は半分使用、期末に半分(500ml)余っている。→在庫数「4.5本」
②在庫5本のうち1本は250ml使用、期末に約750ml余っている。→在庫数「5本」
③在庫5本のうち1本は800ml使用、期末に約200ml余っている。→在庫数「4本」
2.

単価

個人事業者で税務署に棚卸資産の評価方法の届出をしていない場合は「最終仕入原価法」によって評価します。
最終仕入原価法とは、期末棚卸資産をその種類等の異なるごとに区別し、その種類等の同じものについて、当該事業年度終了の時から最も近い時において取得をしたものの一単位当たりの取得価額をその一単位当たりの取得価額とする方法をいう。
つまり、各材料、商品ごとに期末(個人事業は12月31日)時点で一番最後に仕入れた単価で計算するということです。

3.

棚卸資産の算出

まずは材料、商品ごとに数量を数え、請求書、納品書等を確認して最後に仕入れた単価を記入し、算出する
商品名 数量×単価=棚卸資産
※消費税税込経理をしている場合には税込金額とする

Ⅲ.棚卸は何に使用するのか

1.

所得税確定申告のため

売上原価を算出するため、つまり確定申告で経費計上できる金額です。
売上原価=期首棚卸高+当年仕入高-期末棚卸高
※売上原価とは売上のために使用した材料・商品等=売上に直接要した費用

2.

経営判断をするため

棚卸資産は「サロンの財産」です!
「棚卸」とは、商品在庫などの「棚卸資産」の実際の数量を確認する サロンにとってとても大切な作業のことを言います。
棚卸作業は、「売上に対してかかる費用(=売上原価)がどの位か確定させて、サロンが儲かっているのかどうか」を知る大事な第一歩です。

Ⅳ.棚卸資産の必要性

1.

カラーやパーマ等の施術を行うのに必要な材料や、店販商品は、サロンの“財産”です。まだ、売上には貢献していませんが将来売上に変わるものなので大切に扱いましょう。

2.

期末だけでなく毎月末には棚卸をし、毎月の試算表が経営判断をするために必要な作業と考えましょう。

3.

材料、店販商品の棚卸資産はお金を支払っているが、経費にはなりません。在庫過多になっているとキャッシュフローが厳しくなってきます。
そのためにも不良在庫にならないように毎月棚卸をして、確認したほうが良いでしょう。

Ⅴ.棚卸資産をするためのポイント

棚卸を行うスケジュールと在庫を管理する責任者を決めていますか?
※毎月末と定期的に行うのがベストです。
最小限の在庫に抑えて、古い商品をお客様に提供していませんか?
※週、月、季節、キャンペーンごとに予測を立て、使用量や店販品の売上目標を設定し、その都度必要な在庫数を発注しましょう。
何年も使っていない在庫がある場合、返品または施術で利用し、放置しないようにしていますか?
※定期的に棚卸を行うことで、古い商品を把握しやすくなります。
液剤等の無駄な廃棄を防ぐため、施術の時はきちんと分量をはかって、無駄のないようスタッフ全員に指導していますか?
※メニューや髪の長さごとに使用量の目安を把握しておきましょう。
在庫管理をしやすいよう、商品や材料を種類別に配置していますか?
※棚卸をスムーズに行えるように規則をつけて管理をしましょう。

Ⅵ.最後に

実地棚卸(帳簿上でカウントするだけでなく、実際に商品を数えること)を毎月、定期的に行うことは、労力も時間もかかりますが、サロンの毎月の利益の状況を正確に把握するためには不可欠な作業です。
月に一度の棚卸で「商品の損傷や流行遅れの商品の発見」もしやすくなります。「たまに」ではなく、ぜひ「毎月」継続して実施しましょう。
在庫をきちんと管理するためにも、サロンで棚卸作業のマニュアルを作るのがおすすめです。商品棚を整理して、常に商品数を把握しやすい状態にしましょう。

サロンの計数管理は 税理士法人西川会計 へご相談下さい。

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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