ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第14回税務調査の事前準備

突然お店に来る調査と事前に連絡がある調査があります。
突然お店に来る場合でも、その場で調査は終了せず、後日改めて詳しい調査をすることとなります。調査日に向けての準備と心構えについてQ&Aで説明します。

Q1.

前もって調査日時の連絡が入りました。当日の準備と心得とは何でしょうか?

A1.

事前に連絡が入る「任意調査」というものがあり、この場合は税務署からまず電話で「○月○日に調査にお伺いしたい」と連絡が入ります。
これは調査を受ける側の都合を考慮するとともに、準備の時間を与え、調査のスムーズな実行に努めているためです。
その日にすでに以前から約束している大切な得意先との打合わせや、出張の予定が組まれている場合は、遠慮なくその事情を具体的に説明して調査日を変更してもらうことができます。

Q2.

「指導」という事前調査があると聞いたのですが、どんなものでしょうか?

A2.

通常の税務調査の他に、「指導」という形で調査が行われることもあります。これは開業して間もない頃(開業1~2年)に、実態の調査と正しい申告の指導をする目的で行われます。経理処理などに間違えがあった場合にチェックされ、今後適切な処理をして申告をするようにというものです。
これは、あくまでも正しい申告のための事前のチェックなのですが、実際の税務調査のときにも、これらの内容が適切に処理されているかどうかを見られます。ですから、常日頃から正しく処理されているかどうかを確認してください。

Q3.

税務署の方が「調査の下見で、お客様としてサロンへ来ることもあるって本当ですか?

A3.

本当です。店の様子を見るために事前調査が行われることがあります。
一般のお客様とまったく同様に女性調査官がカット、カラーなどをして店の内部やスタッフの状況をチェックします。例えば①伝票の書き方、②レジの打ち方、③つり銭をどこから出し、どう渡すかなどいろいろ観察していきます。例えば代金が9,200円だった場合(事前に紙幣の番号を控えている)1万円を出して、おつりを受け取らずに帰るとします。当然800円は雑収入に計上しなければいけないですね。
そしていざ調査となった際、その時の売上伝票がなかったり、レジペーパーの切れ目が不自然でつながっていなかったり、記録されている来店人数が極端に少ない等、事前調査時の状況と違っているような場合には、疑いがかかることになります。
こんな疑いがかからないよう、通常の営業活動の中で記録しているもの(原始記録)は、整理して保存しておきましょう。
カルテの他に予約表などを記入されている場合も多いと思いますが、お客様のことや売上のことなどを記入したものに捨てていいものはひとつもありません。きれいに書き直す必要もなく、予約していても来店されないお客様については、二重線で消して記録が見えるような形でキャンセルの処理をしてください。

Q4.

調査で問題になるという「現金出納帳」って、そんなに大事な物なのですか?

A4.

はい、とても大切な物です!
単に調査のためというだけでなく、取引の収入支出を表す現金出納帳は残高が命です。毎日記録する帳簿残高と実際の手許残高は常に一致していなければなりません。
もし、つり銭を間違えて多く渡し過ぎてしまったら「雑損失」、もらい過ぎてしまったら「雑収入」として毎日きちんと記帳しましょう。
実際の現金残高に合わせておかないと、調査時に「このサロンの帳簿はいいかげんな記帳をしている」と疑いの目を向けられてしまいます。
個人事業主の方が、サロンのお金も自分の財布に入れているようでは、事業とプライベートの境目はないとみなされて何から何まで(例えば、子供名義の積立預金や郵便局の貯金までも)、根こそぎ調査の対象となりかねません。こうなれば当然、調査にかかる日数も長引きます。

Q5.

税務調査に必要な書類って、具体的には何ですか?
手狭になってきたので、要らない物は捨てたいのですが、ダメでしょうか?!

A5.

事業に関係のあるものは全てが対象です。逆に、捨てていいものはひとつもありません。
予約の電話を受けた「予約表」、お客様が持って来られた「割引券」、施術内容を書いた「カルテ」、会計時に書いた「売上伝票」、代金を受け取りお渡しした「領収証」…これら通常の流れの中に出てきた「書類」はすべて保管しなければなりません。これらの書類を整然と保管していることが、調査における一番の信用となります。

税務調査に必要な書類のチェックリスト
1.決算書(確定申告書) 10.売上伝票
2.議事録(法人の場合) 11.予約受付帳、カルテ
3.総勘定元帳 12.レジシート
4.美容日記帳などの帳簿類 13.賃貸契約書
5.棚卸表 14.タイムカード
6.給与台帳 15.作業日誌
7.領収証 16.請求書、納品書※(仕入、内装、修理等)
8.預金通帳(当座、普通、定期預金等) 17.各種契約書※
9.小切手帳 18.スタッフの履歴書※

(注意:関係書類は9年間、※は5年間保存をしてください)

サロンの計数管理は 税理士法人西川会計 へご相談下さい。

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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