ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第15回サロンが税務調査を指摘事項なしで終わらせるために

1.サロン調査の問題点を事例で紹介します。

現金出納帳の現金残高と実際の現金が合っていない
現金出納帳の鉛筆書きや残高記入・摘要がない帳簿
レジペーパーの切れ目が前日と合わない
金券、サービスカード、メンバーズカードの保管がない
カウンター予約受付ノートと売上伝票が合っていない
雑収入計上のもれ(貸衣装、リベート、公衆電話、自動販売機等)
売上から仕入を引いた粗利益と売上金額の利益率がアンバランス
スタッフの人数が多い割には売上が少ない
講師料、出演料、原稿料等の未計上
二重帳簿(売上や仕入の除外が見つかった)
自家消費や従業員個人の材料仕入の記録がない
店販品とサービス品の区分の未計上
減価償却する資産と修繕費の計上が区分されていない
家事関連費の按分がされていない(水道光熱費、ローン、税金、電気代)
車を経費に入れる時の按分方法
ローン支払い、借入金の一括返済などで支払ったお金の出所が不明瞭
積立預金、定期預金など出所の説明つかない銀行への入金
長期前払費用とすべき保険料が毎月経費で落ちている
領収証のない経費または領収証に内容が書いていない
決算期末に仕入れた材料等が棚卸にのっていない
給料の源泉所得税を取っていないか、または取っているのに納付していない
スタッフの給料が決算月だけ異常に高い
賞与についても毎年バラバラな時期に支払っている
大入り等スタッフへの特別手当が給与に課されていない
給料を決まった日に支払っていない
老父母に給与を支払っている
店で働いている経営者の奥さんの給与がスタッフに比べて異常に多い
店で働いていない奥さんに給与を支払っている
年払いの保険料を毎年バラバラの日で支払っている
海外研修と観光旅行の区別がされていない
福利厚生費が異常に多い
制服がよく経費にでてくるが、実際との相違がある
バイク・車・自転車通勤のスタッフの交通費が非課税額を超えている

2.調査が入ると過去の古い銀行取引の記録が、全て照会されます。

銀行は税務署から指示を求められたら、法律ですから拒否は出来ません。
消費税のかからないAサロンが突然調査になった時のことです。レジの引出の奥から1冊の通帳が出てきました。その中身は、お客様からもらっていた消費税を除外し、別の普通預金に積立されたものであることが判明しました。当然、過去の分についても調査になリ、通帳をなくしていても銀行が保存しているデータから税務上の時効7年まで遡って、調べられることになりました。結局、売上の計上漏れが指摘され、本税のほか多額の罰金もプラスされて支払うこととなってしまいました。

3.罰金の種類

調査で指摘されて納税があった場合、罰金も払わなくてはなりません。税金の納付・申告書提出にはそれぞれに定められている期限があります。この期限を守らなかった場合、罰金に相当するものを科せられることとなります。
重加算税…事実を仮装、隠ぺいし、申告を行っていた場合(売上の計上漏れ等)事実を隠していたことにより増える税額の35%

過少申告加算税…申告した所得金額が少なかったため、修正申告を提出し、追加の納税をする必要が生じた場合納税額の10%
不納付加算税 …法人税・個人の所得税・消費税・源泉所得税期限までに納付をしなかった場合納税額の5%(又は10%)
延滞税…国税庁の定める利率(特例基準割合+1%or7.3%)
無申告加算税…期限までに申告をしなかった場合納税額の15%

4.調査で指摘事項を受けないようにするコツ

調査の結果、追加税金は0円で無事終了となる最大のコツは、事業用の財布(金庫)とプライベートの財布は必ず混合しないように区別しておくことです。オーナーが何もしていない家族に給料を支払ったり、制服・人間ドック・飲食費・携帯・社員旅行として家族を連れていった場合等を、経費として計上していたりする例がありますが、必ずプライベートとお店のお金は分けてください。資金繰りの都合で借りたり貸したりした場合についてはお金の流れをきちんと記録して、金銭貸借の証書を作成しておかなければなりません。このように貸し借リする場合は、個人の通帳からお店の通帳へと銀行の動きがあれば、明確な証拠となるので細かく調べられることもないはずです。ただタンス預金など証拠が残らない現金の動きとなると、不明瞭になってしまい、子供・親等の通帳まで調べられることになりかねません。そして日々の現金出納帳は経営に対するオーナーの姿勢が数字となって反映されます。税務署へ申告したもとになる原始記録は必要があればいつでも提出できるように、決算期ごとに整理して保管してください。

5.税務署が訪問したくなるサロン

税務調査において過去に修正しなければいけない箇所があったサロンは、次回の調査の時に修正されているかどうかチェックされます。又税務署側で毎年重点調査の対象業種、支店を出店するなど申告内容に変化が出ていると、調査にくる可能性があります。

周囲のサロンと比較して、立地条件、店の規模、従業員数が類似しているのに売上が異常に少ない。
個人預金に説明できない入金や出金が多い。
売上金額に対して材料仕入の金額が異常に多くバランスを欠いている。(粗利に注意)
内装や器具購入が、銀行からの借リ入れや、ローンに頼っていながら所得の計上が少なく返済資金の出所がはっきりしない。
同規模のサロンと比較して、必要経費が多すぎる。(特に電気、ガス、水道、人件費等の多い割に売上が少ない。)
着付けやリベートの雑収入があるのに計上されていない。(反面調査でわかってしまう。)
社長からの借入金が多い。
店舗を居抜きで売ったリ買ったり、土地購入したリ増築や改装等行っているが、申告所得が少なすぎる。(無申告は登記所や建築許可書の届出等で見つかってしまう。)
サンプル調査の対象になった。(ほぼ同規模のおなじようなサロンの中から、無作為に一店舗を選定し、実施調査を行う場合がある。)
従業員に給与を支払っていながら源泉税を納めていない。(経営が赤字であってもこれは預り金なので納付しないと延滞になってしまう。)
新聞や雑誌等の執筆や講演活動、エステ、テレビ主演や本の出版等、収入が計上されていない。
どうみても生活できないような低所得で毎年申告ざれているか、または赤字続きである。(生活費はどこから出ているのか不明である)

6.税務調査を受ける前にココをチェックしてみましょう

1.金庫や机の中の整理整頓はしてありますか?(電話・住所録、印鑑、名刺等)
2.今日の現金残高の確認と帳簿の残高は一致していますか?
3.レジの中の現金残と今日の入出金は一致していますか?
4.美容日記帳などの帳簿類は整理保管されていますか?(保存期間は7年間)
5.カルテ、受付表の整理保存はされていますか?
6.給与台帳と履歴書、労働者名簿、タイムカードの保管はされていますか?
7.店舗、事務所の契約書類を確認し、不要なメモなどの整理整頓はされていますか?
8.領収証、請求書、納品書の保管は徹底されていますか?
9.パソコンのフォルダに不要な資料はないですか?
10.個人の借入と収入は明確になっていますか?
11.レジペーパーは日記帳に貼付け、または保管されていますか?
12.回収したサービスカード、メンバーズカードは保管してありますか?
13.チップ、大入リ、サービス品の取リ扱いは記録されていますか?
14.売上伝票はナンバーリングしてありますか?
15.着付け、リベート等の雑収入はきちんと計上されていますか?
16.売上返品、売上値引等の計上はされていますか?
17.売上に対する仕入れの金額は材料仕入と商品仕入を分けて把握してますか?
18.クレジット売上はきちんと計上されていますか?
19.家賃や借入金、ローン等の契約書は保管してありますか?
20.棚卸しの原始記録は残してありますか?
21.研修旅行、社員旅行の明細は金額が多額なので、きちんと整理保管されていますか?

サロンの計数管理は 税理士法人西川会計 へご相談下さい。

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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