ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第22回売上の勘定科目を種類ごとに分けて管理しよう

「売上」は、その内容に応じて少なくとも3種類に分けましょう。
具体的には「技術売上」「商品売上」「その他売上」などです。
適正な科目に分けることで、内容をきちんと把握できるようになります。

1.売上の勘定科目はなぜ分けるのか

勘定科目を分けることで「経営判断にも役立つ」からです。
「技術売上」はさらに、「カット・カラー・パーマ・トリートメント」などメニューの種類別に分けて管理することもサロン戦略を立てる第一歩です。
きちんと分けることで、どのメニューが最も「売上に貢献しているか」がつかめるようになり、売上アップの対策が立てやすくなります。

また、勘定科目を分けることは、税務上も必要です。これは、消費税の事業区分にも関係するからです。売上の内容によってそれぞれ控除される金額も違ってくるため、内容ごとの売上科目の振り分けが重要となります。

(簡易課税制度)

事業区分 該当する事業 科目
第1種事業 棚卸業
第2種事業 小売業 店販商品の売上 商品売上
第3種事業 製造業
第4種事業 1~3種、5種、6種以外の事業 車や器具の売却 固定資産売却益
第5種事業 サービス業 施術に対する売上 技術売上、その他売上
第6種事業 不動産賃貸業

2.売上を管理する勘定科目の種類

技術売上高
◎髪を施術することに対する売上
・カット、カラー、パーマ、トリートメント、ヘッドスパ等
商品売上高
◎ヘアケア商品や化粧品の販売による売上
※従業員へ材料や商品を販売した売上は商品売上に含めて計上します。
その他売上
◎ネイル・エステ・着付け売上
・ネイル売上、エステ売上等
※ネイルやエステ等の売上の占める割合が高い場合は、それぞれ勘定科目を設けた方が良いでしょう。
雑収入
◎定款に記載のない収入
・チップ(お客様から頂いたお釣りの免除やお心づけ)
・モデル薬剤代(練習や撮影用のモデルから受け取った薬剤分の代金)
・リベート(取引先から取引の見返りに受ける金銭)等
※仕入先からのリベートは「仕入値引」として処理します。
売上値引き・戻り高
◎正規の料金より値引などをした場合
・クーポンやポイントによる値引
・常連のお客様に対する値引
・お客様のクレーム等による売上の返金等

3.売上金額は「値引き前」?「値引き後」?

値引きをした場合、売上金額はどちらで記帳するのが正しいのでしょうか?
具体的に、ふたつの仕訳の書き方を見ていきましょう。

例:10,000円のメニューを7,000円に値引きして提供した場合

値引前の金額を売上金額とする場合
現金/技術売上高    10,000
売上値引・戻り高/現金 3,000
値引後の金額を売上金額とする場合
現金/技術売上高 7,000

結論としては、どちらの方法をとっても税法上の問題はありませんが、「値引前の金額を売上として、値引額を売上値引・戻り高とする」ことで「本来の売上と現状値引している金額、値引率の把握」が出来ます。

4.ポイントをご利用の場合は?

ポイントがたまって店販商品をプレゼントした場合には、仕入を減らして「サービス費」として処理します。

例:
仕入値1,500円で売値2,000円の店販商品をプレゼントした場合
サービス費 / 商品仕入高 1,500

5.クレジットで支払われた場合は?

クレジットでの売上は、帳簿上「技術売上」や「商品売上」などの科目に含めて入金計上し、その日の帳簿では「売掛金」として出金計上します。

ワンポイントアドバイス

Q1. 個人事業の事業主が事業用の材料や商品を自分で使った場合は?

A1.「自家消費」として収入計上しなくてはなりません。
材料や商品仕入は事業用の経費ですので、たとえ自分で使ったものでも「売上」として計上する必要があるからです。

施術に対する自家消費
・カット、カラー、パーマ等を自分に行う場合に使用した薬剤の金額
商品に対する自家消費 
・自分のサロンの店販商品を自宅で使用した場合の商品の金額

Q2. 収入にいくら計上すればいいのか?

A2. 上記の①、②のいずれか高い額を収入金額に計上しましょう。

① 仕入金額以上であること。
② 販売金額の70%以上であること。

サロンの計数管理は 税理士法人西川会計 へご相談下さい。

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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