ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第27回サロンの経費(消耗品・固定資産)

「備品消耗品費」「事務用消耗品費」の勘定科目には、一般的に文房具等の事務用品費からテーブル・椅子などの備品まで含まれます。
従来は、一度に経費計上できるのは、10万円未満の「少額な減価償却資産」のみでした。しかしいくつかの時限的な特例があり、それを受けることにより30万円未満までの資産を一度に経費計上ができる、20万円までなら3年で均等償却することができるなど、一年間に計上できる必要経費の額を増やすことも可能になっています。

1.備品消耗品費

「備品消耗品費」とは、以下のようなものを購入した費用で、耐用年数が1年未満のもの(1年内に消耗し価値がなくなっていくもの)、もしくは取得価額が10万円未満のものをいいます。
「1個、または1組の金額が10万円未満のもの」で、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定されます。
(例)ハサミ、コーム、ロット、クロス、ドライヤー、照明器具、タオル、ゴム等

例えば、セットイスの上と下のキャスターを購入した場合には、それぞれ単体に値段がついていたとしても、一緒に使用するので「1セット」と判断します。
車とカーナビを同時に購入した場合にも同じで、カーナビだけを「備品」とはせず、ともに「車両」として固定資産に計上します。

2.固定資産

固定資産とは、長期間にわたって事業の用に供する資産のことをいいます。
種類としては、「建物」「設備造作」「車両運搬具」「工具器具備品」などがあります。
減価償却という形式的な方法によって、数年から数十年にわたって費用化されることから「減価償却資産」と言います。費用化する固定資産として計上する要件は、消耗品費として費用計上しないものになります。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
10万円以上のものでも以下の特例により、より多く費用化できる制度があります。

「30万円未満の減価償却資産」中小企業者等(個人事業主又は資本金1億円未満の会社等)が、取得価額が30万円未満である資産を取得して事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額を費用として計上することができます。

事業年度が1年(12ヶ月)である場合、適用を受ける事業年度における資産の取得価額の合計額は、300万円までに限られます。
(2020年3月31日までの特例)

一括償却資産
「10万円以上20万円未満の減価償却資産」
事業者が10万円以上20万円未満である資産を購入した場合には、事業の用に供した事業年度ごと一括して3年間で費用化することができます。
固定資産として計上し長い期間で減価償却費として費用化するのと比べ、より早く費用化することが可能です。
◆事業供用年度も取得価額の1/3を全額費用にできます。
(期末に購入しても月割しません)。
◆3年内に除却しても除却処理はできません。
◆償却資産の申告には該当しませんので、固定資産税はかかりません。
◆購入した資産1セットの取得価額で、次のように取り扱いが異なります。
取得価額 「消耗品費」または「少額減価償却資産の損金算入の特例」により費用化 一括償却資産で3年均等に費用化(×1/3) 固定資産として計上し減価償却費で費用化
10万円未満 (可) (可)
20万円未満
30万円未満 ×
30万円以上 × ×
※チェックポイント
金額基準の「10万円、20万円、30万円」には消費税を含めるの?
→経理方法によって異なります。
ⅰ)税込経理の場合→税込価額で判定
ⅱ)税抜経理の場合→税抜価額で判定
過大な修繕費には要注意です!
→般的に修理費用は全額費用として計上され、例えば車検の代金など定期的で資産の維持のためのものは「修繕費」として費用になります。
しかし、固定資産の価値を増加させたり、耐用年数を延長させたりするための修繕費は「固定資産の取得」として計上されます。

ワンポイントアドバイス

固定資産税(償却資産税)との関連
法人と個人事業者が有する固定資産(設備造作や備品をいう。車両は除く) には、土地や建物と同様に固定資産税(償却資産税)がかかります。
これは、"10万円未満の資産を消耗品費として全額費用とする"、"20万円未満の資産を3年間均等に費用にする"一括償却資産の処理を選択すると、償却資産税の対象外になります。中小企業者等の少額減価償却資産の特例を選択した場合には、償却資産税の対象になります。償却資産をその年の1月1日現在所有している場合は、1月31日までに資産の所在する自治体に申告する必要があります。
固定資産の購入とリースの違いは?
●購入のメリット ◆購入のデメリット
●リース料金総額より購入した方が割安。 ◆割賦購入する場合を除いて購入時に多額の資金が必要
●資産が不要となった場合、売却することで資金調達ができる。 ◆固定資産で計上する場合には減価償却費となり、一度に全額を費用にできない場合が多いため、利益が出やすく、税金の負担が大きいので資金繰りが厳しくなる。
◆償却資産税の対象となる場合がある。
◎リースのメリット ▲リースのデメリット
◎月々のリース料の支払いだけで、資産が使用できる。 △自己資金で購入の場合と比べてリース料にはリース会社の手数料、保険料、償却資産税などが上乗せされる分割高である。
◎一度に多額の資金を必要としない。 △契約期間中は中途解約ができず、やむを得ず中途解約する場合は残金の他、一時金として違約金を支払う。
◎リース終了後は1年で月間リース料で再リースできる。 △取得価額を超えるリース料を払い終えた後も所有権が移転しない。
◎償却資産税の支払がない。 △破損、紛失の場合、損害賠償となる。

設備投資の際に、「購入とリースのどちらがいいの?」と迷った時のために、違いをまとめました。
購入(割賦も含む)とリースのメリット、デメリットをご確認ください。

サロンの計数管理は 税理士法人西川会計 へご相談下さい。

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

ページの先頭へ