サロン店経営のヒント

経営・分析
マイナンバー制度導入による美容室経営の変化

突然ですが、あなたが経営する美容室では、しっかりと社会保険を完備していますか?
美容室(美容院)の悪しき業界慣習として、社会保険に未加入の店舗が多いと言えます。
違法だと認識しながらも、経営が苦しいし、周りの美容室も加入していないみたいだし・・・と、うやむやにしてしまっているオーナーも多いはずです。美容室を法人として運営している場合は、たとえ従業員が1名であっても、社会保険の加入義務があります。
これまでは、社会保険に未加入であっても、あまり厳しいお咎めはありませんでしたが、ここのところ、風向きが変わってきています。2016年1月から全面施行されるマイナンバー制度により、社会保険に未加入の事業所(美容室)への取り締まりが強化されることが発表されています。多くの美容室オーナーが恐れていることは、行政調査により社会保険未加入が発覚し、強制加入させられた場合は、過去2年間分の社会保険料がさかのぼって徴収されることになっている、という点です。この「過去2年間分の社会保険料」がいくらに相当するかは、美容室によって個々違いますので、一概には言えませんが、「美容室(美容院)経営に大打撃を与える」ことだけは間違いがないと言えます。

スタッフの採用もできなくなる可能性がある

もちろん、マイナンバー制度が始まるから社会保険に加入をする、ということではなく、美容室経営者としてしっかりと義務を果たすことが重要です。
ここでは、もし社会保険に加入していない場合は、社会保険料の徴収以外にどのようなダメージがあるのかを見てみましょう。
最も大きなところでは、「スタッフが採用できなくなる」というダメージがあります。人材の流動が激しい美容室業界においては、新規のスタッフ採用が出来なくなることは致命傷となりかねませんが、ハローワークなどを通じて採用活動を行う場合は、社会保険に加入していない事業所には人材を紹介してもらえません。
また、専門学校などでも、社会保険に未加入の美容室には生徒を紹介しないという方針を採りはじめたところが多く、スタッフの採用が思うように進まなくなる可能性があります。
もちろん、社会保険だけでなく、税金の未納についてもマイナンバー制度で明らかになってしまいます。もし税金の未納がある場合は、極端な話、新規のローンやリースが組めず、全て現金での支払い以外できなくなってしまう危険性もありますので、今のうちからしっかりと過去の納税状況などを確認しておくことも重要と言えます。

面貸しについても注意が必要

また、美容室オーナー自身が臨店講習やセミナーの講師を行ったりする際に得る報酬なども、しっかりと申告をしなければなりません。確定申告時に、うやむやにしてしまっている方もいるかもしれませんが、マイナンバー制度のスタートにより、オーナーの「副業」も明らかになってしまいます。雑所得が課税対象で年間20万円以上ある場合は、申告義務が生じますので、再度ご自身の所得を見直されることをおすすめします。

さらに、「面貸し」についても注意が必要です。もちろん面貸し自体には正規の手続きを踏めば違法性はありませんが、労働基準法対策として面貸しをしているように見せかけながら、実際には雇用関係にある場合などは、調査が入ると、一発でアウトと判断されてしまいます。
税務調査上は、面貸しをしている場合は給与ではなく外注費として処理することが適切かどうか、が判断視点になります。後々問題とならないように、面貸しをする場合には、「業務委託契約書を締結する」「面貸しをしている人に事業所得の確定申告をしてもらう」「美容室からの指揮命令系統が存在しない」などを徹底することが大事になります。

マイナンバー制度のスタートに伴い、これまで美容室業界では片目をつぶりながら見て見ぬふりをしてきたことが、白日の下にさらされる可能性が大きくなってきました。日々頑張って働いてくれているスタイリストやスタッフのためにも、ぜひ、ご自身の美容室(美容院)においては、片目をつぶらずに、しっかりとした経営を行うようにしてください。

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