ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第43回出店すると税金がお得?

中小企業小規模事業者の設備投資を支援する税制措置が延長されました。
この制度は「攻めの投資」を後押しするための税制として設置されました。
また、従業員の給与が前年度と比較して増加している場合に受けられる税額控除があります。
今回は出店の際に是非活用していただきたい制度についてお教えします。

1.中小企業経営強化税制

こちらは生産性向上設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)の2種類があります。
どちらの制度でも対象設備は、器具備品30万円以上、建物付属設備60万円以上、ソフトウェア70万円以上となります。
対象資産の取得価額の10%の税額控除か、即時償却(一回でその期の経費へ計上)のどちらかを選択することが出来ます。
最大で法人税の20%まで、控除することができ、その年に使いきれなかった分は翌年に繰り越すことが出来ます。

生産性向上設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)の違いは以下の通りです。

生産性向上設備(A類型)
生産性が旧モデル比年平均1%以上向上する設備を購入した場合に適用されます。 こちらの制度を利用する場合は工業会等から証明書を取得する必要があります。
収益力強化設備(B類型)

年平均の投資利益率※1が5%以上となるために必要不可欠な設備を購入し、その計画を経済産業局に提出し確認を受けたものが適用となります。

※1 年平均の投資利益率とは

「営業利益+減価償却費」の増加額※2 設備の取得価額

※2 増加額とは、設備を取得した年度の翌年度以降3年度の平均額
こちらの制度は、公認会計士または税理士の事前確認が必要となります。

美容室の出店ですと、②収益力強化設備(B類型)を使うことがほとんどです。

2. 所得拡大促進税制

所得拡大促進税制は、一定の要件を満たした上で前年度より給与の支給額が増加した場合に税額控除できる制度です。
この制度には「通常」と「上乗せ」の2種類があります。

通常
前年度の期首から適用年度の期末までのすべての月において給与等の支給を受けた従業員のうち前年度と比べて1.5%増加した場合は増加額の15%を税額控除できます。
前年度の期首から適用年度の期末までのすべての月において給与等の支給を受けた従業員のうち前年度と比べて2.5%以上増加しており、以下の要件のどちらかを満たす場合は増加額の25%を税額控除できます。
要件1…適用年度における教育訓練費の額が全事業年度の教育訓練費の額と比べて10%以上増加していること
要件2…適用年度終了の日までに中小企業等経営強化法(上記1の制度)に基づく経営力向上計画の認定を受けており、計画に基づき経営力の向上が確実に行われたことについて証明がされていること
このいずれかの要件が必要となります。
では、要件1の対象となる教育訓練費とは具体的にどのようなものをいうのでしょうか。
対象となるものは従業員が外部の方の研修や技術指導などに参加させる費用です。しかし、その研修に参加するために支払った交通費や食費、宿泊費、教材等の購入などは対象となりませんので注意が必要です。
また、役員や個人事業主、使用人兼務役員、役員や個人事業主の家族、事実上婚姻関係と同様の事情にある方、内定者などの入社予定者は対象外となりますのでご注意ください。
こちらの要件を選択した場合は明細書の作成が必要です。
明細書には実施年月、研修のテーマ、受講者、支払先が明記された領収書の記載が必要です。
要件2を選択した場合は、申告書に認定を受けた経営力向上計画の写し、認定書の写し、経営力向上報告書の添付が必要となります。

出店などの事業規模拡大の際には、設備投資も、人件費増加も税額控除の対象になり大幅に税額を減少させることが出来ます。
ぜひご活用を検討してみてはいかがでしょうか。

2019年8月

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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