ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第49回青色申告と白色申告の違い ~来年に向けて~

サロンを経営している個人事業主の場合、確定申告時の申告方法を青色申告と白色申告、どちらかを選択することができます。
大きな節税効果を狙うなら是非、青色申告を選択することをおすすめします。それぞれのメリット・デメリットをみてみましょう。

Ⅰ.白色申告・青色申告のメリット・デメリット

1.白色申告

(1)
メリット
税務署への事前の届出が不要
帳簿の作成が簡単な集計形式で良く、会計ソフトやパソコンなしで帳簿作成できる
売上と経費の収支内訳書のみを作成し、貸借対照表の作成は必要ない
(2)
デメリット
青色申告特別控除といった特別な控除がない
家族への給与は最高86万円(配偶者の場合、その他の親族は最高50万円)までしか認められない
平成26年より帳簿の作成と保存の義務が定められ、事務負担が増加した

2.青色申告

(1)
メリット
複式簿記で記帳すれば65万円の青色申告特別控除を計上できる
30万円未満の資産を一括で経費にできる⇒少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例
税務署へ届出をすればそれ相応の働きに応じて、サロンで働いている家族の給与と賞与の金額を決められる⇒青色事業専従者給与(要件については注1参照)
赤字を3年間繰り越すことができる
(2)
デメリット
青色申告を始めようとする年の3月15日までに(開業が1月16日以後の人は開業の日から2か月以内に)青色申告承認申請書の届出が必要
65万円の控除を受けるためには複式簿記による記帳が条件なので、会計ソフトが必要
毎年3月15日までに期限内の申告をしなければならない
現預金や借入残高など貸借対照表の作成が必要

※注1:青色事業専従者給与として認められる要件は、次のとおりです。

(1)
青色事業専従者に支払われた給与であること。
青色事業専従者とは、次の要件のいずれにも該当する人をいいます。
青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
(2)
「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出していること。
提出期限は、青色事業専従者給与額を算入しようとする年の3月15日(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合や新たに専従者がいることとなった場合には、その開始した日や専従者がいることとなった日から2か月以内)までです。
この届出書には、青色事業専従者の氏名、職務の内容、給与の金額、支給期などを記載することになっています。
また、専従者が増える場合や、給与を増額する場合など、届出の内容を変更するためには、「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を遅滞なく納税地の所轄税務署長に提出していること。
(3)
届出書に記載されている方法により支払われ、しかもその記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
(4)
青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること。
なお、過大とされる部分は必要経費とはなりません。

以前は帳簿の作成が面倒な方は青色申告を選択しないということがありました。しかし平成26年より簡便な方法ではあるものの白色申告でも帳簿の作成と保存の義務が定められたため、白色申告の事務負担が増えています。
最近は会計ソフトの進化により複式簿記での帳簿作成の事務負担が軽くなっており、貸借対照表の作成も簡単にできるようになっています。
最後に、青色申告にした場合、白色申告と比べてどのくらいの節税になるのか、一例をあげて解説します。

Ⅱ.青色申告をした場合の節税シミュレーション

1.白色申告

例:
利益500万円―事業専従者控除86万円-基礎控除38万円=所得376万円
所得税は約33万円

2.青色申告

例:
利益500万円―青色専従者年間給与240万円(月額20万円の給与を届出済)-青色申告特別控除65万円-基礎控除38万円=所得157万円
事業主の所得税は約8万円+青色専従者給与の所得税は約6万円=合計約14万円

3.節税効果

同じ500万円の利益であっても、白色申告より青色申告をした方が33万円―14万円=約19万円の節税になります。

Ⅲ.来年に向けて

平成30年度の税制改正により、令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用要件が変更されます。主な変更点は次のとおりです。

1.個人の方の所得税について

青色申告特別控除額が変わります。(現行65万円→改正後55万円)
基礎控除額が変わります。(現行38万円→改正後48万円)
「現行の65万円の青色申告特別控除」の適用要件に加えてe-TAXによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行うと、引き続き65万円の青色申告特別控除が受けられます。

この改正により、青色申告特別控除と基礎控除の合計は同じになりますが、加えてe-TAXによる申告(電子申告)又は電子帳簿保存を行うことで現行よりも10万円控除額がアップすることになります。

青色申告特別控除の適用要件が変更
(出展:国税庁HP https://www.nta.go.jp/

2020年2月

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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