ビギナーオーナーのためのサロン計数管理

第52回経費にできる福利厚生費のルール

福利厚生費は全額経費として認められ利益から引かれるため、税金対策につながります。
しかし経費として認められるためには一定の条件があります。
今回はその条件と実際にサロンの経費になり得る具体的な例をご紹介します。

1.福利厚生費として経費が認められる条件

役員、従業員全員を対象とするものであること
金額が常識的に考えて妥当な範囲であること
現物支給でないこと

2.具体的な例

慶弔見舞金
従業員や役員に対して支払う結婚・出産のお祝い金、死亡弔慰金、傷病見舞金などの慶弔見舞金は福利厚生費として経費とすることが認められています。
金額は社会通念上、常識の範囲であれば問題なく、従業員本人の家族の結婚や傷病などに支払う場合も対象となります。
通勤費
役員や従業員に支給する通勤費は福利厚生費として経費とすることができます。
社員が受け取った金額は一定限度額までは所得税が非課税となります。
健康診断費用
健康診断費用や人間ドックの費用は以下の条件を満たせば福利厚生費として経費とすることできます。
  • 役員、従業員全員を健康診断の対象とすること
  • 健康診断を受けた全員分の費用を会社が負担すること
  • 健康管理上必要とされる常識の範囲の金額であること
  • 会社が直接診療機関に支払いをすること
社内レクリエーション費用
新年会や忘年会、歓送迎会などの社内レクリエーションの費用は以下の条件を満たせば福利厚生費として経費とすることができます。
  • 役員、従業員全員を対象とすること(ただし、やむ得ない事情で参加できない場合を除く)
  • 会社の費用負担が一律であること
  • 会社が負担する金額が、社会通念上高額にならないこと
上記のような福利厚生費であっても社会通念上高額とみられるもの、また現金で支給された場合については給与とみなされ源泉所得税の課税対象となります注意が必要です。
社員旅行
社員旅行は以下の条件に当てはまる場合、福利厚生費として経費とすることができます。
  • 旅行の期間が4泊5日以内であること
  • 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること
  • 旅行の参加者が役員だけでないこと
  • 自己都合で旅行に行かなかった人に現金を支給しないこと
  • 取引先との接待旅行でないこと
(参考:国税庁HP タックスアンサーNo.2603
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2603.htm
社宅
社宅は会社が物件を借りた上で、社員に貸し出す住宅のことです。
一定の条件に当てはまる場合、福利厚生費として経費とすることができます。
借りる人が従業員か役員かによって条件が異なります。

〈従業員が社宅を借りる場合〉
会社が従業員に社宅を貸与し、賃貸料相当額(計算方法があり、実際に支払う家賃とはちがいます)の50%以上を従業員から受け取っている場に会社が負担した費用が福利厚生費となります。
50%未満の場合、受け取った家賃と賃貸料相当額の差額は給与とみなされます。
例、賃貸料相当額10万円の社宅を従業員に貸す場合

  • 従業員が6万円支払う場合、50%以上なので10万円と6万円の差額4万円は福利厚生費となります。
  • 従業員が3万円支払う場合、10万円と3万円の差額7万円は給与とされます。
(参考:国税庁HP タックスアンサーNo.2597
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2597.htm

〈役員が社宅を借りる場合〉
会社が役員に社宅を貸与している場合は賃貸料相当額を役員から徴収していれば、実際の家賃と賃貸料相当額との差額が会社負担となり、福利厚生費になります。
役員の賃貸料相当額は床面積などから2つの計算方法があります。
(参考:国税庁HP タックスアンサーNo.2600
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2600.htm

食事代の補助
勤務時間に食事を提供した場合、以下の条件を満たせば福利厚生費とすることができます。
  • 役員や従業員が半分以上を負担している
  • 会社が負担する金額が月額3,500円以下である
条件を満たしていない場合は社員の負担額との差額が給与とされます。
残業の際の食事代は無料で支給しても福利厚生費とすることができます。
制服費用
会社が制服を着用させるための制服費用は、以下の条件を満たせば福利厚生費とすることができます。
  • 会社内での着用を想定し、通勤や社外で着用しないこと
  • 社名や会社のロゴマークが入っているもの
  • 制服としてあきらかに従業員であることがわかるようなもの
その他、育児・介護関連費用、外部の福利厚生サービス、保養所など

福利厚生は従業員のモチベーションアップや社内コミュニケーションの活発につながり、経営を円滑に行う上で欠かせないものです。
しかし一定の条件を満たさない場合、給与などとみなされ消費税の課税対象とされる場合もあります。条件をきちんと確認して活用していきましょう。

2020年5月

税理士法人 西川会計 プロフィール

サロン経営のプロとしてサロン業界の発展とともに歩んできた、税理士法人西川会計。
事業計画書の作成や開業資金の調達・開業準備のポイントなどサロン経営に 40 年携わってきた実績とノウハウ武器に、サロンの商売繁盛をサポートいたします。

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